秋に事業の棚卸しをすべき理由と進め方
10月に入ると、多くの企業で来期の計画策定が始まります。しかし計画を立てる前に、今期の事業を丁寧に棚卸しする時間を取っている企業は意外と少ないです。棚卸しを省略すると、昨年の計画をそのまま延長したような計画書が出来上がりがちです。
棚卸しで確認すべき三つの軸
事業の棚卸しでは、「収益性」「成長性」「実行可能性」の三つの軸で各事業・各商品を評価することをお勧めします。収益性は粗利率と営業利益率で測ります。成長性は、市場全体の動向と自社のシェアの変化を合わせて見ます。実行可能性は、現在の人員と設備で継続できるかどうかです。
この三軸で評価すると、「収益性は高いが成長性が低い」「成長性はあるが実行可能性が低い」といった組み合わせが見えてきます。それぞれの組み合わせに対して、どう対処するかを考えることが棚卸しの目的です。
現場の声を棚卸しに組み込む
棚卸しを経営者だけで行うと、現場の実態と乖離した評価になることがあります。現場の担当者が「この仕事は続けるべきか」という問いに対してどう感じているかを、棚卸しのプロセスに組み込むことをお勧めします。
具体的には、各部門の担当者に「今期、最も手応えを感じた仕事」と「最も非効率だと感じた仕事」を一つずつ挙げてもらうだけでも、経営者が気づいていなかった情報が集まります。この作業は、担当者にとっても自分の仕事を振り返る機会になります。
棚卸しの結果を来期計画に接続する
棚卸しで得た情報を来期計画に接続するためには、「継続」「強化」「縮小」「撤退」の四つの選択肢を各事業に対して明示的に割り当てることが有効です。「現状維持」という選択肢を意図的に除外することで、議論が具体的になります。
この作業は、11月中に終えておくことが理想です。12月に入ると年末の業務が重なり、来期計画の議論に集中できる時間が減ります。10月に棚卸しを始め、11月に方向性を固め、12月に計画書を仕上げるというスケジュールが、多くの企業にとって現実的です。
秋の棚卸しをどう設計するかについて、スポットセッションで一緒に考えることができます。よくあるご質問のページも参考にしてみてください。